LPS（リポポリサッカライド：糖脂質）ってなに？

LPSは微生物由来の物質です。リポポリサッカライドを略してLPSといい、日本語では糖脂質またはリポ多糖と呼ばれます。その名の通り糖と脂質が結合した構造をしています。
自然界のいたるところ、土や水や空気中、植物に存在しており、野菜や穀類、海藻、発酵食品などの食品として人間の体内に取り込まれ、有用な働きをしています。

LPSのはたらき

もっともよく知られているのが、体内のマクロファージを活性化させることです。マクロファージとは体内に侵入した異物を除去・修復させるはたらきをする細胞です。マクロファージの表面にはLPSをキャッチするレセプター（受容体）があり、細胞核にシグナルが伝達されるとマクロファージが活性化します。もちろん、肌の免疫にも大きく関わります。
表皮細胞は1ヶ月程度で新しいものに入れ替わっています。このターンオーバーがうまく進むよう、古くなった細胞や老廃物を除去したり、新しい細胞が生まれるのを助けるのも免疫の大切な役割なのです。肌が傷ついたときの修復や、傷口から侵入する病原菌の排除などさまざまなはたらきを担っています。LPSはこれらの皮膚の免疫機能を活性化させることで、肌の改善に深く関わています。

皮膚にある免疫細胞

• ケラチノサイト
  バリア機能に欠かせず天然保湿因子（NMF）にもなるフィラグリンや、皮膚の殺菌剤的な役割を担う抗菌ペプチドを増やす
• ランゲルハンス細胞
  炎症性白血球を集める（遊走する）シグナルを弱め、炎症を防ぐ
• 制御性T細胞
  症を抑制する性格に変化し、白血球が活性酸素を出すことを抑制する
• マクロファージ
  真皮の線維芽細胞（真皮成分を作り出す細胞）を増やしヒアルロン酸などが増加する

■これらの細胞すべてにLPSは働きかけます